第60回「寿温泉」
2022年10月12日(水)
別府在住 橋爪さん
わたしの“マイリトル大分遺産”は、別府市楠町にある「寿温泉」です。
私は、もともと長崎出身で、大学卒業後は横浜でアートに携わる仕事をしていました。
別府との出会いは7年ほど前。大分県で「おんせん県おおいた」が浸透しつつある頃、
国東半島の芸術祭をきっかけに訪れ、人の親切さが印象に残りました。
数年後、忙しい毎日が原因で体調を壊し、思い切って単身インドネシアへ。
半年間のインドネシア生活で、身も心もしっかりチャージしました。
いざ日本への帰国が近づいてきたとき、
「混浴温泉世界」など、別府のアート活動をふと思い出し、
「そうだ、別府に移住しよう!」と一念発起。
インドネシアで移住の準備を開始しました。
2019年の3月に移住し、現在は、APU職員として短期海外プログラムを担当するかたわら、
個人でアーティストの受け入れなどを行っています。
移住して早々、別府の駅前で大量の温泉が巻き散らかされる「湯ぶっかけまつり」を目にして、
「クレイジーな街に移住してしまった…!」と驚いたのを覚えています。
もともと流川通り近辺のアパートに住んでいたのですが、
アパートには住人たちが共同で使うお風呂が1つしかありませんでした。
勇気を出してジモ泉と呼ばれる共同温泉へ。
自宅から徒歩3分の場所にあったのが「寿温泉」でした。
ただ、最初は熱くて熱くて…。
困っていたら常連さんに「どこから来たんな?」「熱いやろ、水で薄めよ〜」とアドバイスをもらいました。
別府の方々の温かさに触れたのが寿温泉でした。
別府は、県外から来た移住者や観光客に親身になって接してくれる温かい街です。
温泉や道端で話しかけられることも多いです。
あと、上半身裸でうろうろしているおじちゃんもよく見かけますよ(笑)。
“共同温泉=家のお風呂”の感覚なので、道路も家の廊下の一部なのかもしれませんね。
現在、別府八湯温泉道のスパポートを持って温泉巡りにチャレンジしています。
まだまだ40〜50箇所程度で、温泉名人への道のりはまだまだ遠いです。
これからも、人と街と温泉とともに楽しい別府ライフを送りたいです。
【寿温泉】
入り組んだ路地に佇み、アーチ型のマドと瓦屋根が印象的な温泉。
鉄分が多く、冷え症に効果があると言われ、女湯は通称〝子宝の湯〟と呼ばれています。
所:別府市楠町11−15
電:0977-80-1599
料:市内の方200円 市外の方300円
営;6:00〜10:30 15:00〜24:00
駐車場:なし
泉質:炭酸水素塩泉